第2節 ホーム鳥栖戦、1-0で勝利

 アウェイ開幕戦を現地で見ることができなかった管理人にとっては、今季初めての新生コンサ初観戦。今年は札幌ドームメインスタンドの通称「ゴールドシート部」が拡張された関係で、シーズン席も昨年までの馴染みの場所から、ホーム側コーナー寄りのちょっと高いところへ移動。選手個人を特定するのが難しくなった代わりに、ピッチ全体の動きは見やすくなりました。
 そんな新たな環境での初観戦でしたが、試合には勝ったとはいえ、昨年までのサッカーを見慣れているものにとっては、正直かなりストレスの溜まる内容でした。特に前半がそうでしたが、両サイドの西谷あるいは藤田から相手ゴール前にクロスが入る際に、相手が5,6人戻ってきて守備をする中で相手ペナルティエリア内にいるのはいつもFWの二人だけ。特にポストプレイが相手DFより強烈に強いわけでもなく、またうまく落としたとしても、中盤から第2波、第3波の攻め上がりがないので攻撃が持続せず、そのままはじき返されて相手ボールになる、という淡泊な攻めを繰り返していました。ではその分中盤に選手が厚くいるのか、というと、ボランチの2名のみ。そして、4バック・ゾーンディフェンスの習得に苦労しているDFの4枚は、相手FWがいようがいまいが、センターラインより大分後方で、そのうちにボールか相手FWが来るのを待ち受けている様子でした。もちろん守備の時にはきっちりスペースを消して守っておかなければいけないのだろうし、またカウンターやロングボールでやられるのを防ぐために、あらかじめ後ろで4枚待っているということもあるのかもしれませんが、自チームの攻撃中に、ボールと関係ない後方で4枚選手を使ってしまっていては、明らかに攻撃の数は足りなくなります。後半は多少良くなりましたが、でも相手は一人退場で10人でしたからね...にも関わらず、数的優位を感じることはあまりありませんでした。現在チーム状況も悪く、かつ後半は一人足りない状況で闘っていた鳥栖相手にこの程度の内容では、「いったいあとどの位、こんな退屈な試合を見せられるのだろう」と思うのと同時に、「今後試合に勝つこと自体が相当に厳しいことになるのではないか」とも感じました。

 ただ、もちろん今のような状況が、これから今季ずっと続けていく基本的なやり方とは思えないわけで(昨シーズン末以来、三上強化部長は何度も「これまで築き上げてきた攻撃と、組織的な守備の融合」という点を強調していました)、試合後知り合いのサポとも話しながら、「今はまだ4バック・ゾーンディフェンスに慣れてないから、教則本通りにDFがやらざるを得ないのではないか。そのうち慣れてくれば、臨機応変に自分の場所を一旦置いて中盤にサポートに上がったりできるようになり、それによって中盤も前線に顔を出せるように変わっていくのじゃないか」という結論(あくまで想像ですが)に落ち着きました。
 初戦、2戦目ともに、後ろに4枚並べているにも関わらず、結構脇や真ん中(!)を破られているような現状では、4バック・ゾーン守備の完成などにはほど遠いわけで、ちゃんと習得し、その効果が中盤より前まで波及するようになるまでには、まだしばらく時間が掛かりそうです。それは新外国人選手についても同様で、札幌での初お目見えとなったFWダヴィ選手は、ポストタイプでも、スピードで裏に抜けるタイプでもなく、また足がそれほど器用なわけでも無さそうで、こちらも見極めにはまだ時間が掛かりそう...とは言いながらも、今季でのJ1昇格を狙う以上は、チームのシステムが完成するまで勝利を待っているわけにはいかず、その間も騙し騙し勝ち点を稼いで「凌いで」いかなければなりません。第1クールぐらいは、結構厳しい状況を覚悟しておく必要があるのかな、とも感じました。

 昨年までの攻撃サッカーを見慣れてきたサポとしては、「チームが新たに試みていることを、どの程度信じられ、我慢できるか」がポイントになるのかもしれません。昨年バクスター監督の下で再生を図った神戸も、新たな戦術をものにする過程で、第1クールは非常に苦しい戦いを強いられましたが、その後それを吸収してからは、大きく成績も内容も上向いたことは、記憶に新しいところだと思います。
 現在コンサがトライしているサッカーのスタイルに対して、様々な意見を持つ方はおられると思います(私自身がそうです)が、その一方で、昨年までの戦いで、守備に大きな課題があったこと自体は、皆意見の一致するところでしょう。その課題をどうやってクリアしていくのか?その対策として、今期以降のコンサは「守備スタイルの習得」を主課題として取り組むこととし、現在の指導者陣と戦術を取り入れました。それが当たりか外れか、それで得るものと失う魅力の差し引き、いろんなことがこれからもサポの話題になることでしょう。ただ、まだこの新しい試みは、導入されてふた月弱しか経っておらず、その効果を判断できるほど、選手達も身に付けることが出来ていません。
 三浦監督が、あるいはHFC強化部が求めるものを選手達が消化し、きちんと(あるいはある程度)形として身に付けるまでの間、判断するのはもうしばらく待ってみよう、あるいは待たざるを得ないな、というのが、初観戦の感想でした。

管理人

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