第8節 「ホーム」福岡戦、0-0のドロー

 道内でスタジアムが確保できずに、東京は西が丘国立競技場にて開催することとなった、久々の道外「ホームゲーム」対福岡戦。せっかくの収入源であるホームゲームを道内で行うことができない中で、できるかぎりの集客をと、HFCも、そして関東地区後援会をはじめとする各サポーターも、それぞれに尽力したものの、試合中ずっと降り続いた冷たい雨の影響もあってか、入場者数は2,100人強に留まりました。でも、道外開催、平日の夕方、寒い雨の中という悪条件の中で、よくあれだけの人が集まったものだと思います。それは試合後、帰りの地下鉄本蓮沼駅で、カッパを片手に持ったスーツ姿のサラリーマンが相当数いたことからも感じました。
 いつものアウェイゲームならゴール裏に行くところですが(アウェイ席でないと大っぴらに応援出来ない)、今回は「ホーム」ということで、メインスタンドの指定席にて観戦。席は前から7列目の札幌ベンチ前。西が丘に行くのは初めてでしたが、本当にピッチ(とテクニカルエリア)が近く、迫力のある試合(と三浦監督)を観ることが出来ました(監督の熱いシャウトについては後述)。
 今節は週末の試合に挟まれた水曜開催、札幌は前節の試合から中二日、福岡は中三日と試合間隔が狭く、さらに雨で濡れた上に低い気温、滑るピッチ上での試合ということもあってか、踏ん張りきれずに転んだり、厳しいパスに追いつききれなかったり、あるいはパスやシュートを大きく逸らしたりと、両チームの選手ともに疲れが溜まっている感じが見て取れました。そのような条件もあってか、両チーム共に、あまりに大きなリスクを冒して攻めに出るということは少なく、きちんと相手の守備を崩して攻め込んだといえるシーンは、それぞれ1,2回程度しかなかったように思います。それでも、札幌の守備については以前に比べると大分できあがってきたように感じました。同時に、開幕から4戦目ぐらいまでは、フラットに4人並ぶDF,MFラインを維持するということにかたくなに固執していた印象がありましたが、前節の仙台戦、そして今節福岡戦では、SBの選手がサイドの選手を追い抜いてオーバーラップしたり、ボランチやCBの選手がボールを持ったままドリブルで攻め上がっていくなど、攻撃面でのパターンも徐々に増えてきているように感じました。これまで守備のことで一杯だった頭に、少しずつ余裕が出来てきたのかもしれません。でもここから実際に点を獲るためには、FW陣が頑張ってボールをキープし、また相手DFラインをきちんと見ながら裏に飛び出すことをしっかりやっていかなければいけないでしょう。
 さて、今回目の前で試合中の三浦監督の指示ぶりを見聞きしたわけですが、ヤンツーさんに負けず劣らず熱い人でした。前半は、ピッチの対角線上にいる藤田選手に向かって指示を「絶叫」。球技専用スタジアムなので、ゴール裏応援団も近く、ピッチ上まで両チームの応援の声がガンガン聞こえてくるため、ピッチの反対サイドにいる選手にはなかなか監督の指示は聞こえません。それでもとにかく自分の意図が伝わるまで、ずっと指示を叫び続けます。後半はウリセス通訳と共にカウェ選手への指示。監督の意図していることが理解できていないらしく、延々と指示(というか怒鳴っている。結局はその指示をうまくこなせなかったためか、大塚選手と交代)。もう一つ気付いたことは、「前からの守備」ということを、とにかく全員にやらせようとしていること。もっとも印象的だったのは、その前の展開上相手ゴール近くまで来ていた砂川選手(左SH)が、相手ゴールキックに伴い自分の守備位置に戻ろうとしたところで、三浦監督は「戻らずに福岡左SBの選手にプレスしろ」という指示を出したのだけれど、その指示が選手に伝わらずに本来の左サイドに戻ってしまったところ、監督が両手で両膝を叩いて悔しがっていたことでした。昨年までのヤンツー攻撃サッカーでも、選手達はボールと共に「動く=走る」ことを要求されていましたが、三浦監督になり、多少戦術が変わっても、相手選手をマークし、プレスを掛けるために、とにかく皆が走り回らなければいけないという点では共通しているのかもしれません。直近の2試合を現地で直に見ることができたことで、就任前、あるいは今季序盤の数試合から思ってきたサッカーの印象が、徐々に変わりつつあります。現地で配付されたCWP(サポが発行するマッチデイプログラムのようなもの)にも書かれておりましたが、これから先、札幌のサッカーはもっともっと面白くなっていくことだろうと感じました。
 
 次節は、中3日で日曜日にアウェイ水戸戦です。選手達はなかなか体を休める暇が無く、またトレーニング環境としても降雪や低気温などなかなか厳しい状況が続きますが、何とか堪えて、このヤマを乗り越えていって欲しいと思います。そして、今節のゲームでは、HFCのスタッフはもちろん、関東地区後援会のメンバーが、この西が丘ホームゲームに向けて様々な集客努力をし、また当日はスタッフとして、あの寒い中、後援会ブース他スタジアム内の様々な箇所で働かれておりました。当日のゲームを楽しませていただいた観客の一人として、深く御礼申し上げます。

管理人

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