第48節 アウェイ愛媛戦、1-0で勝利
先週の福岡から1週間で3戦目と、相変わらず厳しいスケジュール、さらに西谷・藤田両選手が怪我による欠場と厳しい台所事情ながらも、前節・前々節と出場停止だったダヴィ・石井両FWが戻り、さらにブラジル研修から急遽呼び戻されたFW西(監督は試合前のTVインタビューで「秘密兵器」と呼んでいました)がリザーブに入るなど、前節までのスクランブル状態に比べれば多少余裕がある中での試合となりました。当日の松山は、昼間はTシャツ一枚で歩ける位で、札幌/北海道とは比べるべくもない暖かさ。スタジアムの周囲にはかき氷屋さんの屋台も出ていました。札幌ゴール裏に集まったサポは約600名(!)。このスタジアムは、他の多くのスタジアムとは逆に、メインスタンドから見て右側にホームチーム、左側にアウェイチームが陣取ることもあり、札幌ゴール裏はメインから観て左側。さながら「ミニ厚別」といった雰囲気です。これだけの人数が集まれば、十分に選手達の背中を押せるはず。絶対に勝って帰る、勝たせる、という意識がみなぎっていました。
ゲームは、札幌がペースを握りながらの展開。試合序盤にMF大塚が怪我のためにDF池内と交代を余儀なくされるものの、その後も落ち着いてゲームを進めることができました。相手側コートに攻め上がっている時間もそこそこ長く、また相手の有効な攻撃もあまり少ないことから、あとは「点を獲るだけ」。しかし、惜しいチャンスは何度かありながらも、なかなか得点には至らず。また全体が上がっているところでカウンターを受け、危ないところを曽田を初めとする守備陣がスライディングでかわすシーンもみられました。試合を通じて、それぞれの時間帯が有りながらも互いに決定打が決まらないまま、試合はロスタイムへ。第4審が挙げた掲示板には「4分」の文字。このまま0-0のドローでも仕方ないかと思い始めたところで、後半にMF岡本に代わって入ったブラジル帰りのFW西が、左サイドの角度のないところからクロスを上げ、相手DFに当たったボールは、クロスバーにあたり、さらに右ポストに当たってゴールネットの中へ。劇的な勝利をもたらしました。
一週間前のアウェイ福岡戦では、怪我で退場した藤田に代わって入った岡本がJ初ゴールとなる決勝点を決め、また今節はブラジル修行から急遽引き戻された西が、またもJ初ゴールで決勝点を入れるなど、このところ、新しい戦力が試合の中で大きな仕事をしています。そして、三浦監督の采配がズバズバと決まる、この引きの強さ。途中いろいろと苦しみましたが、ここに来て再び札幌に良い波が来ているのかもしれません。そして、6月13日(水)、この地で、チームもサポも辛い思いをしました。今節の勝利は、あの時の借りを返すと共に、あの日スタジアムで悔しい思いをした選手達、サポーター達へ捧げる勝利となりました。
来週は天皇杯ウィークのためリーグ戦はお休み。次のゲームまで2週間も時間が空くのは、3月の開幕以来初めてのことです。これまでの連戦で、選手達は疲労や故障を抱えていることと思いますが、この期間中にしっかりと体を休め、怪我を治し/あるいは少しでも状態を回復させて、残りの試合に向けて調整していただきましょう。
昨年末、天皇杯準決勝で負けた後、柳下前監督は「来年こそ、チーム、クラブが一つになってJ1に昇格してくれると思う」と言い残して札幌を去りました。あと残り3試合です。今年、僕等は一つになれる。毎試合、ピッチの上の選手達、裏方でいろんなことを支えてくれているスタッフやボランティアの人達と、一体になれています。あと3試合。総力戦で、勝ちをもぎ取り、昇格を勝ち取って、これまでコンサを支え、関わってくれたあらゆる方々に、恩返しをしましょう。 Power to 1!